プログラミング習得について~自分史 その1

大学に入学する前(1970年代)までは、一般には「コンピューターなんて科学者が使うもの」と言うイメージで、身近には存在しませんでした。BASICが使えるプログラミング電卓とかはありましたが、あくまで数値計算用コンピューターの域を出ないものでした。

1980年代に入ると「パーソナルコンピューター」が普及し始め、当時のパソコン少年はBASICを使ってプログラミングしていたそうですが、私がコンピューターに興味を持ったのはそれよりも少し遅く、1980年代中盤から「ビジネスに使えるコンピューター」として普及が始まっていたワープロ専用機を買ったのがきっかけでした。たしかCanonのワードタンクという初心者向けの機種でした。ディスプレイの行数が2~3行しかないので論文など長文作成には使えませんでしたが、「キーボードから打ち込んだ文章が『データ』になりいつでも利用出来る」ことは自分にとって新鮮な経験でした。

「大学は法学部、大学院はドイツ語学専攻」と全くの文系なのですが、もとは理系志望だったこともあり、コンピュータにもすぐに興味を持ちました。大学の情報処理センターで行われていたBASICの授業に参加しましたが、この時はディスプレイに丸や三角などの図形を描くだけの単純なプログラムを数本書いただけで、プログラミングが身についたとはとても言えない状態でした。

大学院ではドイツ語学を専攻したのですが、論文作成のために東芝のルポ(Rupo 90F)という本格的なワープロ専用機を買いました。当時ルポの拡張機能として「自在流」というマクロ言語が別売りされていました。その言語を使ってドイツ語のテキスト分析を行い(特定の単語の出現頻度を集計するプログラムを作成)、その結果をもとに修士論文を書きました。プログラミングのスキルはほとんどなかったので、おそらく自在流に備わっていたマクロの自動記録機能を駆使してプログラムを作成したのだと思います。修士論文自体は今となっては二度と思い出したくない程ひどい内容でしたが、論文作成にコンピュータを使った斬新さ(?)が受けたのか、無事に修士号を頂けました。

(その2に続く)