ピアノのマスター~練習するたび挫折ばかり…

保育園から小学校2年位まで、ヤマハの音楽教室に通いオルガンとかを習っていました。女兄弟もいないし(女の子がいればお稽古事としてピアノもあったかもしれませんが)、それほど裕福ではなかったこともあり、ピアノを習わせてはもらえませんでした。もっとも、当時の私はピアノなど習いたいとも思いませんでしたが。

「ピアノを弾けるようになりたい」と思ったのはいつでしょう…大学に入って一人暮らしを始めてからのことだと思います。ヤマハのポータサウンドという、かろうじて両手で弾けるくらいの小さなキーボードを買いました。右手でメロディーを弾きながら左手の指一本でコード進行できるのが面白くて、かなりのめり込みました。

じきに、ひと夏分のバイト代をつぎ込んでヤマハのClavinova YP-30という本格的な電子ピアノを買いました。20万近くしたと思います(そんな高くて大きな楽器を4畳半の部屋の中に置いている、変わり者の学生でした)。先生から習うお金もなかったので、毎日狭い部屋の中で自己流の練習をしていました。その時は和音進行や伴奏の練習がメインで、ハノンを使って指の運動もしていました。1年半くらいは続けたと思いますが、やめてしまいました。「どんな曲が弾きたい」とか、目標がはっきりしていなかったのが飽きてしまった理由でしょうか?

それから20年くらい経って、またピアノを始めました。少し広い部屋に引っ越したのと、残業がなくなり自由な時間が増えたことが再開のきっかけでした。学生時代に買ったヤマハのピアノは実家に送ってしまったので、新たにカワイのes1-SYLPHIEという電子ピアノを買いました。バイエルを練習すると共にやはりハノンで指の運動もしました。今回も独学でした。2年くらい続けたでしょうか?でも「こんなに練習しているのにこれだけしか上達しないのか」との思いが募ってくると忍耐力がなくなりました。

ちょうどその時分、「人生の残り時間が有限であることを意識した」こともあると思います。「残りの人生の可処分時間を何に使うか?」を考えたとき、ピアノの習得はあきらめ、ドイツ語の習得に賭けることにしました。弾いていること自体が楽しい、と言うかかわり方ならば良いのですが、自分が目標とするレベル…ジャズピアノをマスターするには、残された時間では足りないと思いました。

以後、10年間ピアノは弾いていません。「ジャズのスタンダード・ナンバーにアドリブで美しいコードを付けてさらっと弾いてみたい」と、今でも思っているのですが…