東北の旅~その2 陸前高田

(その1より)

気仙沼の駅に戻り、ドラゴンレール大船渡線のBRT(バス・ラピッド・トランジット)で陸前高田へ向かいました。しばらく(2キロくらい?)は、もともとは線路で新たに舗装されたBRT専用道路を走ります。途中、元は鉄道用だった一車線しかないきつきつのトンネルの中をバスが走っていくのが、なんとも不思議な感じでした。しばらくすると、専用道路を離れて一般道へと入ります。バスはゆるいアップダウンを繰り返し、海沿いへ内陸へカーブしながら走っていきます。車窓から「津波浸水区間ここから」「津波浸水区間ここまで」の標識が見えるたびに、「あの日はこのあたりまで津波が押し寄せたんだ」との思いが浮かびます。

「奇跡の一本松」のバス停でバスを降りました。見渡すかぎり、見上げるほど(高さ7~8メートルはある?)の盛り土がされていて、さらにその上に、縦に横に、まるでつり橋の様に巨大なコンベアが走っています(近くの山から切り出した土を運ぶためのものです)。

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なんか違う惑星に来たような、(控えめに表現しても)日本とは思えないような風景が広がっていました。 震災の事を知らない人が来たら「すごい宅地造成だな」と思うかもしれませんが、これほど広大な宅地造成は日本では見ることはできないでしょう。こんなに広い範囲を破壊しつくしてしまった津波の威力…同時に、こんな広い範囲にこんな高い盛り土をこんなに短い期間で終えてしまう日本の技術の高さ、人々の結束力の強さも感じました。(「短い期間」とはあくまでよそ者の勝手な感想で、被災地の方は町の再建を「早く!早く!」と待ち続けているのかもしれませんが…)

岸まで歩いて行くと、まだ、がれきの一部や枯れてしまった松の切り株が点々と残っています。ちょっと先には津波で破壊されたユースホステルがモニュメントとして残されています。まさに荒涼とした風景。

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「奇跡の一本松」は(皆様ご存じと思いますが)すでに枯れてしまい、今は人工のモニュメントがライトアップされていました。その前で、陸前高田そして東北の全被災地の一刻も早い復興を思いつつ、静かにお祈りしました。

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BRTで気仙沼に戻り、電車で一ノ関まで行き、その日はビジネスホテルに一泊しました。