インターネットが普及し、ブログなどでさまざまな人が書いたものに手軽にアクセスできるようになりました。その中で、亡くなった人が死の直前にどのような生活を送っていたのか、何を考えていたのか、死をどのように感じていたのか記した文章に触れる機会も多くなりました。それらを読んでつくづく感じるのは、死とは特別なものではなく生と隣合わせにあるもので、生から死へは、誰かにポンと肩を叩かれるくらい身近な出来事だということです。
うちの母親が5年ほど前に肺塞栓を発症し入院しました。いわゆる「エコノミークラス症候群」です。ひとりぐらしなのですが、ある日突然息がすごく苦しくなりました。ただ、がんばって呼吸を繰り返しているうちに少し楽になり、自力で病院までたどり着いて助かりました。「あの時にがんばらずにふっと力を抜いていたら、多分死んでいた。死ぬという事は案外簡単」だと言ってました。もちろん、死ぬことは身近ではあっても簡単ではない(色々と苦しみながら死んでいく人も沢山いる)ことはわかっていますが。
若いころは、「死は身近にあり人生はあっという間」と言う事に気付かないものです。私もそうでした。言い古されていることですが、年を取るとともに時間の流れがどんどん速くなっていきます。子供のころは10年後なんて想像できないくらい先のことに思えたのに、50才を目前にした今は、10年前なんてついこの前の事のように感じます。この調子だとこれからの10年、20年は風の様に過ぎ去ってしまいます。
私自身、独身のため、あまりにも人生のイベントが少ないためにそう感じるだけなのかもしれません。普通の人にとっては、人生の後半も、子供の成長や結婚、孫の誕生など色々と楽しい(?)イベントがあり、短く感じる一方で充実した期間なのかも知れません。
若いころは無目的にだらだら過ごしてしまいました。…もっとも、若いころは時間は有り余るほどあるし、何も考えずにだらだら過ごすこと自体が人生の楽しみだったかもしれません。まぁ、人生が終わりに近づいたときに「これでいいのだ」と思えれば、それでいいのですが。
後悔ばかりの我が人生ですが、これから花開くことを夢見つつこのブログを書いていきます。