実家に帰った時にもいい音で音楽を聴くために、性能の良い携帯用のプレーヤにはいつも興味がありました。90年代前半にDAT(デジタル・オーディオ・テープ)が普及し始めましたが、私もDENONのDTR-80PというポータブルDATデッキを買いました。2年くらい使いましたが、音質は良かったと記憶しています。ただ、その当時、軽くて音質のいいヘッドフォンに巡り会えず、せっかくの高音質が楽しめてなかったように思います。
その後、MD(ミニディスク)が世に出ました。DATはカセットテープの様に順次アクセスしかできませんが、MDはCDの様に一発で頭出しが出来て便利でした。ただ、MDのデータは圧縮率が高いせいか、音はDATと比べようもないほど悪かったように思います。音楽用と言うよりは、語学教材の録音・再生に使うだけになりました。
MDの音がひどかったのでDATを見直し、以前買ったDENONよりも小型の、SONYのTCD-D100というDATウォークマンを購入しました。小さいながらも質感も音質も良く、これは(使うのは年に二回帰省する時だけでしたが)7~8年は愛用しました(今でも手元にあって、ちゃんと動きます)。
またこの頃、ETYMOTIC RESEARCH(エティモティックリサーチ)のER-4Sと言うイヤホンに出会いました。たしか飯田橋の「イーディオ」と言う、輸入オーディオの専門店で試聴の上、購入しました。インナーイヤー型(耳栓のように耳の穴にねじ込むタイプ)は初めてでしたが、華奢でちっぽけな外観からは想像できないほどのナチュラルな音にびっくりしました。この製品、今でも使っています。一台目は酷使して本体部分が割れてしまったので、二代目を購入、もう15~6年使い続けています。今でも販売されているロングセラーです。
インナーイヤー型にも欠点があり( ER-4Sだけの問題?)、例えば、耳垢が柔らかい人はパッド(耳栓?)にべたっとつくので他人に見せたり貸したりできないこと、イヤホンに近い部分の細いコードが服にこすれるとガサガサ音が伝わって来ることがあります(これはイヤホンから出たコードを後ろに回して耳に半周させると解決します)。でもそんなことがどうでもよくなるほど他のイヤホンでは得難い音がするので、私の愛用品になっています。