上部消化管内視鏡検査について~鎮静剤を使わなくても大丈夫!

5年前に初めて胃の内視鏡検査を受けてから毎年続けています。以前はいわゆる「バリウム検査」でした。バリウム検査は、検査自体は楽なのですが①検査後にバリウム排出のために飲む下剤が効きすぎて一日中トイレに行きたくなること②検査の結果胃にポリープがあるのが分かったので詳細に状況を確かめたかったこと③「バリウム検査は大量のエックス線を浴びるので逆にがんの原因になる」との話を聞いたこと、が内視鏡検査に踏み切るきっかけとなりました。以下は初めて検査を受けた時の体験談です…

やはり最初は怖かったです。歯磨き中に歯ブラシを少し奥に入れるだけでオェッとなるくらいなので、検査中吐き気に耐えられないのではと心配でした。検査前は喉に麻酔をします。キシロカインという薬のシロップを口に含み数分間喉にためておきます(ここ数年の検査ではシロップではなく喉にスプレー)。私の通っている病院では危険があるとのことで基本的に鎮静剤は使ってくれません

検査は60才くらいの、内視鏡検査に関しては権威のある先生が担当でした。緊張していましたが、目を開けて内視鏡からの映像をモニターでじっと見ていました。「はい、ごくっと飲み込んでください」と言われそのとおりにすると、すっとスコープの先端が食道に入っていき、あとは吐き気らしい吐き気は感じませんでした。ただ、胃に空気や色々な液体を吹き付けられるので、お腹が張ったりげっぷがしたくなります(そういう意味の不快感はあります)。10分もかからないうちに検査は終了。ホッとしました。

終るとすぐ先生のデスクで画像を見ながら結果を聞くのですが、私の胃のポリープはポコッと盛り上がっているだけで、色も周囲の組織と同じ。先生は見た瞬間「これは大丈夫」(がんではない)との話でした。胃壁は(胃炎の跡こそあれ)きれいな状態で多分ピロリ菌はいないとのこと(胃壁を見れば大体わかるそうです)。これまでの生涯で胃が痛くなったことはあまりないし、あったとしても、軽い痛みでした。やはり胃は丈夫なんだな、と自信を持ちました。

ただ、終わった後1時間くらい喉の麻酔が抜けないのですが、その間は物が一切飲み込めません。唾が出て来ても吐き出すしかありません。何か喉が詰まり窒息しそうな感じが続くのでちょっと不安になります(1時間の我慢ですが)。1時間後(前日の夜9時から絶食していたので)ガツガツと食べたのですが、食事が気管の方に入ってしまい、その日一日コンコンと咳が止まりませんでした。まだ麻酔が少し残っていたため飲み込み損ねたのだと思います。また、検査で胃壁が荒れたのか、その日は胃の膨満感が少しありました。

吐き気を感じることなく検査を受けるには「いかに麻酔薬をよく浸透させるか」が重要です。検査前キシロカインを(ただ口に含んでいるだけでなく)意識して喉の奥に行き渡らせるようにした方が良いです。キシロカインはちょっとピリピリするので、こういうのが苦手な人は麻酔薬を喉の全体に回すことができず、検査中に辛い思いをするのではないかと推測します。

あとは、「いかにリラックスできるか」です。体が硬くなっているとちょっとしたことも不快に感じます。でも、これはなかなか難しいと思います。私の場合、目をつぶっているとかえって怖くなるので、ずっとモニターを見ています。目が開けられる人は開けてモニターを見ている方が状況を冷静に見つめることにも通じ、落ち着くと思います。

口から入れる内視鏡がどうしても怖い場合は、今は鼻から入れる内視鏡もあります。耳鼻科で喉の奥を見てもらうために一度、鼻から内視鏡を入れたことがありますが、鼻の穴にピュッピュッと薬を差すだけで麻酔は終わり。検査中もまったく吐き気はなく、ほんと簡単で楽です。組織検査はできないそうですが、検討してみてはいかがでしょうか?

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