(以下の記事は個人的な回想であり、カメラレビューを目的とするものではありませんので、内容・表現が不正確でもご容赦ください)。
今回は「富士フイルムに会いに行ったらシグマに一目ぼれし、同棲したが性格の不一致で別れた」話です(笑)
2012年2月11日(ちょうど50才の誕生日)にパシフィコ横浜で開催されたフォトキナに行きました。お目当てはFujifilmのX-Pro1のお披露目でした。X-Trans CMOSと言う新方式の画像センサで、画素の配列を独自にすることでモアレを発生しにくくしローパスフィルタを不要にしたので「小型(APS-Cサイズ)でもフルサイズと同等の画質」というのが売り文句でした。Fujifilmのブースの前は長蛇の列で、現物を手に取るまで30分くらい並びました。手に取ってみて質感の良さに感激したのですが、ただ、その時は購入には至りませんでした。
会場では同じく独自のセンサー(foveonセンサー)によりローパスフィルタを廃したSIGMAのSD-1Merrilという一眼レフも展示されていて、触ってみた結果、結局こちらの方に強く心が動き、購入に踏みきりました。
当時、foveonセンサーを搭載したシグマのカメラについて「外れもあるが、当たるとすごい写真が撮れる」と言われていました。さっそくこのカメラを持って桜の季節に写真を撮りましたが、確かに、目の前に本物があるかのような生々しい写真が撮れることがわかりました。ただ、真っ赤な物を写すとべたっと潰れてしまったり、条件により色がコロコロ転ぶ(例えば、光線の加減で赤味がかった色になったり、ちょっと露出アンダーで撮ると灰色に近いくすんだ色になる)ことに気が付きました。そうなるとRAW現像ソフトで調整するのですが、これが動作が重いのとインターフェースが独特で非常に使いづらく、四苦八苦です。露出アンダーの場合、現像ソフトで明るさを持ち上げても灰色のままで色があまり乗ってこないことありました。CanonのEOS 5D Mark2が常に最低70点の写真は出してくれ、後から現像ソフトで80~90点レベルに加工するのも簡単な「誰からもそこそこ好かれる八方美人」なのと比べ、「機嫌を損ねるととんでもないじゃじゃ馬だな」と思いました。
また、あるお祭りの撮影に持って行ったとき決定的瞬間で連写をしたのですが、RAWで撮るとすぐに内部バッファーフルになってしまい、バッファーが解放されるまで1分くらいはシャッターが切れなくなります(まぁ、このカメラが最も苦手とする分野に使ってしまったと言えばそれまでなのですが。あとはJPEGで撮るとか)。
否定的な事ばかり書いてシグマファンの方には申し訳ないのですが、そもそも私の撮影スタイルには合わないカメラを買ってしまったようで、結局3か月くらいで売却してしまいました。ただ、その後はFujifilmのカメラを使うようになった(後述)のですが、今でも、シャープさに限って言えば、「見たまま」というか「シャープなのに自然」と言う点ではFujifilmよりはSD-1 Merrilの方が上だと思っています。