倉田まり子さんとあの事件

倉田まり子さんのファンでした。もう30年以上前のことで、きっかけが何だったか覚えていないのですが、たぶん何かの番組で見て「きれいな人だな~」と感激したのでしょう。当時は「石川ひとみさんに瓜二つ」と言われていて、どちらかと言えば石川ひとみさんの方が一般にはメジャーだったように記憶しています。石川さんは明るくて元気がいい感じでしたが、私は、ちょっとおとなしくて楚々とした感じがする倉田さんのファンでした。私よりも一つ年上で、「きれいなお姉さん」的な憧れがありました。デビューして何年かたった時期で、アイドルとは言えちょっと大人の雰囲気がする女性でした。

彼女が出演する番組は欠かさず見ていました。そんな中、NHKで正午から放送していた公開生放送の「昼のプレゼント」と言う番組に倉田さんが出演する事を知り、渋谷のNHK放送センターまで見学に行ったことを思い出します。1983年のことです。当時他にもファンとのふれあいイベントなどもあったでしょうが、私はそういう所へは行かず、倉田さんとは言葉を交わしたことはありません。ただ、ファンレターは何通か送ったと思います。今となっては「ストーカーみたいな内容ではなかったか」と恐縮するばかりですが。。。

その後、あの「投資ジャーナル事件」に巻き込まれてしまい、彼女は芸能界から去りました。当時、記者会見で下劣な芸能レポーターたちからひどい事を言われ、周りが敵だらけの状況でただひとり気丈に立ち向かっていた姿を今でも思い出します。今思うに、あの芸能記者たちはひょっとして「美女を皆で寄ってたかっていじめる」と言う、サディズムの世界に酔っていたのではないか?と思います。私はというと、彼女の無実を信じ切ることができず、ファンを止めてしまいました。

今では芸能界とはきっぱりと縁を切り、社会的にとても意義のある分野で立派に活躍されています。就活する学生を支援する活動などもされているようです。美しいだけでなく、こんなに意志が強く純粋な心の持ち主だったんだ、としみじみ思います。それに比べ、当時世間の風評ばかり信じて彼女のファンを止めてしまった、何の信念もない意志薄弱な自分を恥じています。

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