私は音楽鑑賞が趣味なので「いい音」にもそれなりに気を配って来ました。これから何回かにわけ、人生の総括の意味も込め、これまでのオーディオ人生(?)を振り返って見たいと思います。
音楽を愛する人にとって「いい音」とは「自分の好み通りの音」であることは間違いないと思いますが、私のようなクラシックやジャズの愛好家にとって「いい音」とは「原音に忠実である」と言う条件が加わることが多いようです。ハイファイ(原音忠実)を極めるために惜しげもなくお金を投入する人もたくさんいます。でも私は、移り気なせいか、オーディオや音楽だけが趣味ではなく「オーディオを極めた」とはお世辞にも言えません。ですので、その程度のレベルの人間が書いたものだと笑い飛ばしてください。
さてオーディオとの馴れ初めです。以前の記事でも書きましたが、音楽に興味を持ったのは中学に入ってからです。兄が家にあるビクターの4チャンネルステレオで聞くクラシック音楽のすばらしさに感銘を受けました。ただ、私はまだLPレコードも持っておらず、ステレオも兄が独占していたので、自分ではFM放送を旺文社カセットLL!(英語を勉強するためのカセットレコーダー)でノーマルテープに録音して聞いていました(当時はFM放送を録音することをエア・チェックと呼び、大流行りしてました)。当然音も良くないし、モノラルです。
1年くらいはこんなお粗末な環境でしたが、中学の卒業祝いにようやく音楽用のラジカセを買ってもらいました。ソニーのZILBAP(CF-6500)と言う大型のステレオラジカセで、ツイーターと大型のウーハーが本体の両側についていました。
なんか高級カセットデッキの様な外観で、当時はとてもかっこいいと思いました。最初のうちはこのラジカセでエアチェック(FM放送の録音)をしていましたが、兄が大学に入学し家を離れるとようやく家のステレオを独り占めできるようになったので、自分でLPレコードを買うようになりました。LPレコードをカセットテープにダビングし、受験勉強の合間に沢山クラシックを聴きました。